今年はコロナ禍で株価が暴落したかと思いきやその後は日米共に株高が続いていますね。
私は『ダウの犬銘柄』、日本版『ダウの犬銘柄』のどちらもまだ購入しておらず、調査段階なのですが、来年の購入を検討する上で、今年のダウの犬銘柄がどうなったかを机上検証してみることにしました。
『ダウの犬銘柄』とは
『ダウの犬銘柄』というのは高配当銘柄によるインカム・ゲインで毎年4%、5%の利益をえることを投資スタンスにしたものです。株価値上がりによるキャピタル・ゲインを狙う訳ではないので、『ダウの犬銘柄』が値上がりしたか否かに着目するのは本筋ではないことは承知しています。
とは言え、買い始めて1年目でいきなり大きく値下がりしてしまうと、5年後、10年後には値を戻す可能性が高いと分かっていてもショックですよね。
長期間のガチホ前提ですが、念のため調べてみました。
2020年の『ダウの犬銘柄』
今年の『ダウの犬銘柄』は以下のページで詳しく説明しています。

上のページでも述べていますが、「ダウの犬銘柄」を確認したい場合にはこちらのサイトが便利です。
⇒DOGS OF THE DOW公式サイト
『ダウの犬銘柄』に関する補足
「DOGS OF THE DOW公式サイト」によるとダウの(子)犬Xというのがあるそうです。
『ダウの犬X銘柄』:ダウ工業株30種のうち、高配当の株7銘柄
『ダウの子犬銘柄』;『ダウの犬銘柄』10社の中で株価が安い5銘柄
『ダウの子犬X銘柄』;『ダウの犬銘柄』10社の中で株価が安い3銘柄
過去のトータルリターンの多い順に順位を付けると以下のとおりになるそうです。
過去5年 | 過去20年 | 2000年来 | |
---|---|---|---|
『ダウの犬銘柄』 | 3 | 3 | 4 |
『ダウの犬X銘柄』 | 1 | 2 | 2 |
『ダウの子犬銘柄』 | 4 | 4 | 3 |
『ダウの子犬X銘柄』 | 2 | 1 | 1 |
銘柄数が少ないほどハイリスク・ハイリターンで、多くすれば安定するという訳でも無いですし、方向性を読み取りにくいですね。
『X』が付くほうがパフォーマンスが良いのは事実ですが過去の実績値を元にチューニングしているのであれば将来を保証するものでもないですし、難しいところですね。
2020年の『ダウの犬銘柄』の机上検証結果
今年の『ダウの犬銘柄』の机上検証結果です。
株価1は去年の12月、株価2は12月10日時点の株価を基に、50万円分購入していた前提で評価してみました。
米国株は株高になっていますが、値を下げたままの銘柄が3つあります。エクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)、ウォルグリーン(WBA)です。
コロナによりアメリカも脱炭素社会の取り組みが進むでしょうから、化石エネルギー関連の株は厳しいかもしれませんね。ウォルグリーンはもっと値を戻していてもよさそうに思いますが、逆に言えば買い時なのかな。エクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)を外せばトータルではプラスになりますし、8社を買うというのもありかもしれませんね。
シンボル | 株価1 | 株価2 | 配当率 | 伸び率 | 1株あたり | 購入株数 | 購入金額 | 銘柄あたり | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
インカム | キャピタル | トータル | インカム | キャピタル | トータル | |||||||
XOM | 70 | 43 | 4.99% | -38.70% | 3 | -27 | -23 | 7 | 488 | 24 | -189 | -164 |
IBM | 134 | 127 | 4.83% | -5.40% | 6 | -7 | -1 | 4 | 536 | 26 | -29 | -3 |
VZ | 61 | 61 | 4.01% | -0.10% | 2 | -0 | 2 | 8 | 491 | 20 | -0 | 19 |
CVX | 121 | 90 | 3.95% | -25.00% | 5 | -30 | -25 | 4 | 482 | 19 | -120 | -101 |
PFE | 39 | 42 | 3.88% | 7.70% | 2 | 3 | 5 | 12 | 470 | 18 | 36 | 54 |
MMM | 176 | 175 | 3.26% | -0.60% | 6 | -1 | 5 | 3 | 529 | 17 | -3 | 14 |
WBA | 59 | 42 | 3.10% | -29.20% | 2 | -17 | -15 | 8 | 472 | 15 | -138 | -123 |
CSCO | 48 | 45 | 2.94% | -6.10% | 1 | -3 | -2 | 10 | 476 | 14 | -29 | -15 |
KO | 55 | 53 | 2.89% | -3.60% | 2 | -2 | -0 | 9 | 498 | 14 | -18 | -4 |
CAT | 148 | 180 | 2.79% | 21.90% | 4 | 32 | 36 | 3 | 443 | 12 | 97 | 109 |
合計 | 33 | -52 | -19 | 68 | 4,886 | 180 | -394 | -214 |
2020年の日本版『ダウの犬銘柄』
今年の日本版『ダウの犬銘柄』は以下のページで詳しく説明しています。

上のページでも述べていますが、「TOPIX core30」の銘柄一覧は「株探」のサイトから見ることができます。
⇒「株探 | TOPIXコア30関連が株式テーマの銘柄一覧」
日本版『ダウの犬銘柄』に関する補足
日本版『ダウの犬銘柄』は決まった定義は無く、参考にするサイトによって色々な書き方がされています。
私が参考にしたサイトでは、「TOPIX core30」を用いるとなっていたのですが、以下のような条件で抽出しているサイトもありました。
大型株
日経平均、TOPIX採用銘柄
各業種からもっとも好配当な1社のみ
1つ目は、『ダウの犬』の性質上、絶対値はともかく高配当のものを選ぶことになりますので同じです。
2つ目、3つ目も「TOPIX core30」から選択すれば満たされることになります。
問題なのが4つ目です。どうしても高配当株というのは特定の業種に偏って複数存在します。実際に金融と商社が多く、これで半数超えてしまっています。
コロナ禍のような社会変化に伴う影響を避けるには業種の偏りが出ないよう1業種から1社だけを選ぶべきかもしれませんね。
2020年の『ダウの犬銘柄』の机上検証結果
今年の日本版『ダウの犬銘柄』の机上検証結果です。
株価1は去年の12月、株価2は12月10日時点の株価を基に、50万円分購入していた前提で評価してみました。
結果的にドコモ以外は全て、昨年末より値を下げたままです。日経平均は2万7000円を伺う水準になってきているのに、おかしな話です。
割安になっているのは確かですし、「割安な大型の高配当利回り株」から投資すべきというのが『ダウの犬』の戦略ですから、積極的に買うべきかもしれませんが自分なりに理由づけできないとすっきりしないですね。
シンボル | 株価1 | 株価2 | 配当率 | 伸び率 | 1株あたり | 購入株数 | 購入金額 | 銘柄あたり | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
インカム | キャピタル | トータル | インカム | キャピタル | トータル | |||||||
JT | 2,433 | 2,165 | 6.33% | -11.00% | 154 | -268 | -114 | 21 | 51,083 | 3,234 | -5,618 | -2,384 |
キャノン | 2,987 | 2,063 | 5.36% | -30.92% | 160 | -924 | -763 | 17 | 50,771 | 2,721 | -15,700 | -12,978 |
三菱商 | 2,900 | 2,528 | 4.55% | -12.84% | 132 | -373 | -241 | 17 | 49,300 | 2,243 | -6,333 | -4,089 |
三井住友FG | 4,038 | 3,067 | 4.46% | -24.05% | 180 | -971 | -791 | 12 | 48,456 | 2,161 | -11,652 | -9,491 |
みずほFG | 1,683 | 1,312 | 4.46% | -22.07% | 75 | -372 | -296 | 30 | 50,490 | 2,252 | -11,145 | -8,893 |
三菱UFJ | 593 | 442 | 4.21% | -25.52% | 25 | -151 | -126 | 84 | 49,829 | 2,098 | -12,718 | -10,620 |
武田 | 4,332 | 3,877 | 4.16% | -10.50% | 180 | -455 | -275 | 12 | 51,984 | 2,163 | -5,460 | -3,297 |
三井物 | 1,946 | 1,900 | 4.11% | -2.36% | 80 | -46 | 34 | 26 | 50,596 | 2,079 | -1,196 | 883 |
NTTドコモ | 3,038 | 3,875 | 3.95% | 27.55% | 120 | 837 | 957 | 16 | 48,608 | 1,920 | 13,392 | 15,312 |
東京海上 | 6,119 | 5,270 | 3.68% | -13.87% | 225 | -849 | -624 | 8 | 48,952 | 1,801 | -6,792 | -4,991 |
合計 | 1,332 | -3,570 | -2,239 | 243 | 500,068 | 22,672 | -63,220 | -40,548 |
『ダウの犬銘柄』の机上検証まとめ
本家の米国、日本のどちらも全10銘柄で見ると、キャピタルゲインがマイナスになっており、インカムゲインと合わせたトータルでもマイナスです。『ダウの犬銘柄』は高配当銘柄によるインカム・ゲインを狙うものなので、株価は下がっていても5年・10年先に戻ればいいのですが、それでもやはり損はしたくないですね。
米国株の『ダウの犬銘柄』を始めるのであれば、これからの脱炭素社会を意識して化石燃料関係の銘柄を外したり、IT関連銘柄を加えたりといった多少のバイアスを掛けた方がよいのかもしれません。売り買いの時期・売り買いの銘柄を何も考えずに機械的に扱うのが『ダウの犬銘柄』の特徴なので個人的な見解を持つべきではないかもしれませんが・・・
日本株は難しいですね。株価が戻ってきていない理由がはっきりしていないのもそうですが、銘柄選定として「各業種からもっとも好配当な1社のみ」とするか否か、もう少し調べて自分の考えを整理しておこうと思います。
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